オペ当日
オペ前日、全く寝付け無かった。
眠いが目は冴えている。楽しみにしていても緊張しているようだった。
オペ後の着替えがしやすいよう前開きの洋服を着た。
※ジャージとスニーカー位楽な服装をおすすめする。全身麻酔で脚も浮腫むため、デニムはやめた方がいい。
水も飲めない時間になり家にいても仕方ないと思いはやく家を出た。
30分も前に着いてしまった。
オペ前に、最後のカウンセリングを受けた。
イメージの確認と手法のメリットデメリットを再度説明してくれた。
今回、自前の鼻の軟骨を使い鼻を整える方法を選んだがこの方法は元々の鼻の軟骨が小さいと耳の軟骨を使う事になる。
高さも皮膚が伸びる限界までしか出せない。
鼻の軟骨と耳の軟骨を使いたいが、鼻が使えなければ両耳から採取することになった。
予め両耳から取れる鼻の大きさをはかり、十分なサイズが取れる耳を選んだ。
もし耳が小さければ次は肋骨を使う所だった。
整形は元々持つ自分の素材次第で制約が多い。
プロテーゼの高さを2種類用意してあり、オペ中に様子を見て決めさせて欲しいと言われた。先生を信用しているためお任せすると答えた。
術後の話も大まかに聞きトータル30分近くかけてくれた。
どこまでも丁寧な先生だ。
術前の顔写真を撮影した。
今回、私は術前の顔を自分では撮影しなかった。しようとすら思わなかった。
新しい顔になるのに、今の顔の記録はいらない。卑屈な気持ちは一切なく平静にそう思った。
本の新装版が出るから、旧版はいらない位の感覚だ。
撮影しながら先生が
「目が素敵だから、鼻の手術をしたらグッと映えるよ。こんなこと患者さんに言っちゃいけないけどね笑」と笑った。
正直な所がますます信用出来る。
私が整形を繰り返すタイプではない、精神的な病気が無いと先生も把握しているため
主観だと前置きして意見を言ってくれる。
「マスクしてると美人だとよく褒められます笑 鼻治すの楽しみです」と返すと先生は笑っていた。
その後、オペの準備に入った。
手術着に着替え、全身麻酔のために手の甲に点滴を打った。
いくつも薬を注入し、中には血管が痺れる薬もあった。
少しドキドキしたが、スポーツ心臓のため脈も血圧も低い。
「緊張してないの?!」と先生に驚かれたが麻酔科医が「若い子にいるよね〜」とのんびり答えていた。
看護師さんに髪の毛をまとめてもらう時、子供の時以来だなと思った途端に涙が出た。
不思議な心細さだった。
これまでの人生が不意に過ぎり、彼氏がいたら整形に至らなかったかな、自信があればこうはならなかったのかなと悲しくなった。
看護師さんが「泣かないで〜いざとなると緊張しちゃうよね〜😢先生上手だから安心してね」と頭を撫でてくれた。
これからの未来を変えるために受けるんだからね、とマイナス思考を宥めた。
細かな不安(将来的なリスク等)はあれど整形することそのものに不安は感じなかったがそれでも直前には緊張するのだ。
しばらくするとオペ室に移動した。
靴を履き替える瞬間がなぜか印象に残っている。
手術台に横たわると心電図モニターが付けられ、すぐにアラートが鳴り出した。
脈が遅いからだ。ドラマの一場面のようだった。
手術の準備が整うと酸素マスクをつけられ苦い臭いがした。
意識が遠のくまで体感3秒、手術が終われば変われる、いよいよだと思いながら眠った。