たまに襲う憂鬱
整形について『痛くないの?』『失敗怖くなかった?』『バレる心配じゃない?』と聞かれる。
痛み、失敗、周囲にバレる心配すべてあるに決まってる。
それでも顔を変えたい位、悩み苦しんだから手術した。
この顔で生きるこれからより、そのリスク取る方が生きやすいと思う位、これまでが辛かった。
顔も自分も嫌で何回も夜中に泣いた。
心が千切れるみたいで胸と喉が苦しくて
こんなに追い込まれても私は相談出来る相手がいない。
孤独だ。
仲の良い兄弟と2度と会うことのないお店の人に整形すると伝えた以外、実生活で伝えていない。
勿論顔そのものも綺麗にしたかったが、それ以上に私は人間関係が良くなることを期待した。
どうだろう、たまに悲しい波は来るが
横から見た鼻が綺麗になっていて
顔は少し良くなったと励まされる。
整形して初対面の人の態度は明らかに変わった。
女性からは今度の飲み会に顔を出して欲しいと頼まれることが増えた。
男性は今まで私を無視したような顔の綺麗な人が声をかけてくる。遊びにせよ、だ。
ほら、中身は変わらないけど
見た目を少し変えただけで楽になった。
これが職場を変えたならもっとちやほやされるだろう。
新しい場所に行くのが楽しい。
私から声をかけなくても目が合えば声をかけてくれる。
かけてもらえなくても、話しかければ嫌な顔をされない。
『綺麗だね』『モテるよね』
今まで私を褒めなかったようなおしゃれな男性が褒める。
単純に嬉しい半分、やはり顔だよ、中身を見てもらうのは顔審査で生き残った後だ。
どんな理由にせよ、入り口が広がった。
チャンスが巡ってくるようになった。
やっと中身を見てもらうステージに立てた。
確かに女性としての内面の魅力は疑問だが、
きちんと教育を受けきちんと働きそれなりに周囲の人と関わりながら生きてきた。
中身は、ある。
相変わらず好きな人には相手にされる気配はない。
でも少し変わったという事実が気持ちを立て直してくれる。
整形は魔法じゃないけど魔法だ。
これまでなら丸一日落ち込むところが数時間で済む。
もっともっと楽になりたい。